日本のアカをまとう〜 天然紅花の口紅づくり~
アカを秘めた染料として知られる「紅花(べにばな)」。
滋賀県・永源寺の無農薬の畑で育てた紅花をもとに、天然の赤をダイレクトに纏えるリップ&チークをつくります。
「紅花」について
実は「紅花」と名付けられながらも、そのほとんどは黄色い色素で、赤色素はほんのわずかしかありません。しかし、江戸時代には金の10倍もの価値があったというほど、紅花の赤色は古来より人々を魅了してきました。
シルクロードを辿って、紀元前3世紀頃には日本に渡来した*という紅花。(*諸説あります)染色や口紅の原料として花開く一方で、血の巡りを良くする生薬としても重宝されました。美しい色で人々を魅了しながら、身体を整える働きも秘めていたのです。紅花の口紅は、それぞれの唇の色に合わせて異なる発色をするのも不思議な魅力です。
私自身、草木染めをする度に感じていたことではありましたが、「草木のもつ色彩世界は、心身を美しくひらく力を持っているのではないか」というのが、今回のワークショップを開く出発点になっています。
天然紅花の口紅づくり
今回の口紅の作り方は、江戸時代から続く方法がベースになっています。通常の草木染めの方法とは少し異なり、まず黄色色素を丁寧に取り除き、次にアルカリと酸を使って赤色素を沈殿させることで、なんとも魅惑的な質感の「艶紅(つやべに)」に出会うことができます。さまざまな赤の表情を見せる制作過程も、ぜひお楽しみ頂けると嬉しいです。
五感をひらき、色を纏うこと
また、今回のワークショップでは、実際に赤を纏うことも楽しみたいなと思っています。
古来、お化粧は、世界中で祈りや呪術を表すものとして施されていました。実は化粧品を表す「cosmetic」は、宇宙を表す「cosmos」と同じ「kosomos」というギリシャ語に語源を持ちます。さまざまな感覚器が集まる顔に、大自然の土や植物の色を纏う。それは、現在のファッション的な営みというよりは、目に見える以上のものを掴もうとする”感覚技法”であったのではないかという、哲学者の鷲田清一の分析も興味深いです。プリミティブなセンサーの役割を果たしているともいえる肌に、草木の生きた色や力を移し変えること。
今回は古来のお化粧のあり方からもヒントを得て、他者のまなざしに合わせた”メイクアップ”ではなく、感覚をひらきながら、心のままに紅花の赤を楽しむひとときも持てると嬉しいです。魅惑的な日本の赤色をめぐるひとときを、ぜひご一緒しましょう..!
※1日完結型のワークショップです。
・3月7日*(土)3月8日(日) 13:00〜16:00 各回定員:10名 (*7日は満員となりました。1月30日現在)
*仕込み | 3月7日のみ9:30~11:30 (ご希望者のみ。通常、紅作りには二日間を要します。翌日分の仕込み作業を行います。プログラムの参加者でしたら、どなたでもお越しいただけます。)
・参加料:¥16,500 税込 (講習料・材料費込み)
・お持ち帰りいただけるもの:紅花リップ&チークバーム:5g
・持ち物:タオル、飲み物、エプロン
・服装: 念のため、汚れても良い服装でおこしください
・会場:澤田写真館 〒113-0021東京都文京区本駒込4丁目39−9
[電車]各駅から徒歩約10-15分
・JR山手線・京浜東北線 田端駅
・東京メトロ南北線 本駒込駅
・東京メトロ千代田線 千駄木駅
[車]
普通車2台 終日 ¥1,000/台
近隣コインパーキング2カ所
平日夜間と土日は終日パーキングメーター無料
ご参加ご希望の方は、志村の染HPお問い合わせまたは下記カレンダーからご予約ください。
※定員に達した場合、やむを得ずお申込みをお断りさせていただく場合がございます。
▼講師:河野紗季
京都府生まれ。大学院在学中に、外観と精神のつながりに興味を持ち、リハビリメイクを学ぶ。卒業後、フリーランスPRとして、オーガニックコスメブランド等のPR/マーケティングを約6年間担当。コロナ禍に出会った志村ふくみ著の『いのちを纏う: 色・織・きものの思想』に魅せられたのをきっかけに、染織学校アルスシムラの予科コースを卒業。植物の色彩世界や、手仕事をめぐる場の豊かさに感銘を受け、創作活動と同時に、身体性が開くような場と体験をテーマにしたワークショップを企画。
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